「 命(いのち) って、 自分が出来ること って、 音楽って、 何なんだ?」 と考える出来事が起こりました。
11日金、25年ぶりに会った友人の病床で、あなたの為にできることは一体なんだろうか?私が出来る事、そう、それは何なんだ? 押し売りでなくほんとにやれることは・・・。アタマの中がどんどん大きくなって色々なシーンが浮かぶ。時折意識が薄れる彼女と手と握り、パンパンにむくんだ足をさすり、「それじゃ、新幹線の時間もあることだし、じゃあまたね!」って、笑顔で帰れるのか・・・私が。 「最後に会いたいと家内が言っているから勇気をもって連絡したのです、遠方なのにすみません」と謝った、ご主人の優しい笑顔を見ながら、さっさとこの部屋を出れるのか?!
結果、アップライトピアノが院内にあったこと、調律師さんがスケジュール調整して来れた事、なにより病院から急遽許可が出たこと、看護婦さん、ドクター、施設管理の方々みなさんの万全の協力がスムーズに行われた事、そしてピアニスト岡本麻子が飛んで来てくれたこと、なにより病気の彼女の状態がピアノを聴く体調になってくれたこと!!! 見守る温かな空気の中で 翌日12日13時30分からピアノリサイタルが行なわれ、美しく響くピアノの音色に皆のきれいな涙がより、充実した時間を物語って・・・。 彼女はだれより美しいキラキラした目をして皆と笑顔で話し、「まるでオーケストラのようだわ、もっと聴きたい、もっと弾いて。」と。 一時間ほどのこの会は無事彼女の体調が急変することなく終え、またベッドごと病室に医療スタッフの皆さんに運ばれていきました。今日ご主人からメールが届きました。 「今の元気なすがたは奇跡に近いものだと思います。」
あの時弾いている岡本麻子の背中を見て、ベッドの彼女の姿を見て、ピアノの音色を聴いてしみじみ思いました。 ・・・音楽とはこうも心に響くものなのかと。 本来の音楽とはこうもあるべきなのだと。 「次もやるからね」と、私は最後に彼女と約束した第二回開催を目指して、病床の彼女もショパンの曲をしらべてくれているようです。 「何ができるか、 この何もない自分が出来る事は何なんだ、音楽ってなんだ?」と、 看護婦でもあり、この音楽の仕事もしている私はこのことをブログに書くかどうか悩んだ。でもどうしてもアタマの中に情景がはっきり浮かんできて消えない。昨日からずっとずっと考えている。 自分がやるべきことは?
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